築34年の建売住宅にお住まいのYs様。
ご主人様の定年も近くなり、お家でゆっくりと過ごす時間が増える定年後の暮らしを見据え、リフォームのご相談をいただきました。
しかし、長年共働きでお忙しかった為に、お家のメンテナンスまで手が回らず、設備の老朽化・雨漏り被害が見受けられ、これからも安心して暮らしていけるか、不安を感じていらっしゃいました。
私たちがはじめてYs様のご自宅にお伺いした時の印象は、『かなり修繕する必要がある…』が正直な気持ちでした。
ご自宅をリフォームしたいとお考えのYs様には、お伝えしづらい事でしたが、ご年齢のこと、改修にかかる費用感と時間など一筋縄ではいかないこと予想されたので、ご自宅をリフォームするよりもマンションに住み替える事を視野にいれた、「これからの暮らし」をじっくりとお話しさせて頂きました。今までお住まいになったお家への愛着と、一緒に住んでおられるご子息がこれからも住み続けるかもしれないのでお家を残してあげたいと考えていらっしゃる事など、話し合いの中でお家とご家族への温かな想いを伺い、自邸のリフォームを決断されました。
工事予定の解体箇所をめくると、内部からも外部からも躯体の傷みや腐食が想定以上という事が判明。傷みの状態を確認し、当初計画していた修繕計画を再度見直し、下地からときちんと直していきます。
躯体の傷みや腐食、シロアリ被害となる原因を根本的に解消する為、「雨水の侵入経路」を特定することが大切です。特に外壁の防水機能低下、ひび割れ部分より雨水の進入などが考えられ、重点的に補修していきます。
その中でも特に傷みが激しかったバルコニーの防水工事後、再度放水検査を行ったところ、バルコニー以外からも雨もりしている事が判明。原因となる場所を徹底的に探した所、既存サッシの劣化によるものでした。
原因となる場所を修繕せず放置すると、躯体へ雨水が入り、木部の腐食→シロアリ被害の原因となり、また同じ事が繰り返されてしまいます。そうならないように、必ず原因を根本的に修繕します。
建売住宅の決められた間取りに自分たちの暮らし方を合わせ、やりたい事がなかなかできなかったYs様。
これからの暮らしには、憧れのビルドインのオーブンレンジや、キッチンと洗面のタイル、無垢の床や飾り棚など、Ys様が憧れていた事を取り入れ、さらに先の暮らしを考えた時にこれからも安心してお住まい頂ける様、一緒にショールームに行った際にベンチシートと手すりをお風呂に取り入れる事をご提案させて頂きました。
工事が進むたびに問題が発覚し、当初より工期が伸びたYs様のリフォーム工事ですが、それは、「工期優先」ではなく、「お家を守ることを優先」しているから。
問題が起こった時に一旦立ち止まり、ありのままお伝えして、どう解決するかをご提案しながら施工を進めていく。
通常の工事よりも時間がかかるかもしれませんが、お客様にこれからも安心して暮らしていただくために必要なプロセスだと私たちは考えています。
既存アーチ窓と馴染む新しい玄関扉と収納。
ガラリと印象が変わったLDK
ビルドインのオーブンレンジを取り入れた使い勝手の良いⅡ型(2列型)キッチン。
収納量たっぷりのカップボードと、奥様待望のキッチン飾り棚
こだわりの洗面と大容量の収納パントリーは弊社で造作。
リビング幅いっぱいの収納付きベンチシートも弊社で造作。
壁紙にお好きなグリーンを取り入れた内装。
一緒にショールームに行って決定したお風呂のベンチシートと手すり。
収納付き手洗いを備えたトイレ。
LDKへと続くネイビーカラーの建具。
1年点検時、無垢フローリングのお手入れ方法をレクチャー。ご自身でお手入れをする事で愛着が増してゆきます。
数十年前に奥様からご主人へプレゼントされたダーツ。以前は飾る場所がなく物置に眠っていたそうですが、今回のリフォームを機に飾れる様に。
奥様からのプレゼントをきちんと保管されていたご主人のお気持ちがじんわりと伝わります。