ご夫婦のちょうどいいを「探しきる」

最初にご主人とお話した時は「天井の板は残しましょう」「窓の木の枠も残しましょう」って。
奥さんも、「そうしましょう」と同調してくれていたんですけど、どうも本当の心から「良い」とは思っていないような感じがして。なんか引っかかる感じがあったんですよね。

洗面台とかもそのままでいいって仰っていたんですけど、この歴史を感じる雰囲気のお家に存在しても違和感のないデザインの
新しい洗面台を一緒にご提案させて頂いたら、やっぱり奥さんはとても嬉しそうで。
そして意外とご主人も、「ものによってはいいんじゃない？」と同調していただけて、
奥さんのご要望の「新しさ」もクリア出来た気がします。

ご主人はデザインに対してのこだわりが本当に強かったですね。
「いかにも新しくしました」じゃダメなんですよ。
元のままが良い、今まで一緒に時を重ねて来た雰囲気のまま、馴染むようにしたいと。
天井の色も何回も何回も塗って、やっと表現できたんです。
この色を出すために何十回も練習しましたね（笑）。

床の張り替えも、違和感を無くす為に敢えて少し違う素材の床を貼っているんです。
でもこれ不思議なことに、隣り合わせの床に同じような色目の木を貼っていたら違和感が出てくるんですよ。
だから少し違う素材を選んで、雰囲気だけトーンカーブで合わせると、自然と全体的に辻褄があってくるんですよ。
本当に細かい美意識ですが、その細かさが広く見ると空間に馴染んでいくんです。

〜お施主様インタビュー〜

実は私たちリフォーム２回目で、
１回目は10年ほど前なんですけど、10年前にリフォームをお願いしたきっかけは、雨漏りでした。
雨がひどい日に屋根がガタガタしてきて気になり出したので、リフォームを考え始めました。
「ゲストハウスならまち」さんからの紹介で平岡工務店さんを知りました。
ゲストハウスならまちのオーナーさんも平岡さんで工事してもらったらしく、「若いけど、ええ仕事するで〜」って。
お会いして第一印象も、若い方だな～と思ったんですけど、
じっくり丁寧に私たちのお話を聞いてくださいましたし、誠実な感じがとても伝わってきて、
是非ということでお願いすることになりました。

それで今回はお風呂場でシロアリを見ちゃって。。。
昔の木の窓枠なんですけど、その枠を開けたか閉めたかした時に、ブワ～っていたんですよ。
シロアリやろうなって思ったんですけど、見たこと無かったのでひとまず写真撮って、ネットで検索したら同じで、
すぐに平岡さんに連絡して来てもらいましたね。生きているシロアリ見れるなんてラッキーです！なんて言われました（笑）。

それでリフォームをお願いするってなったのですが、私と主人では、微妙に意見が違うんですよ。
主人は、この雰囲気が好きで気に入って買ったから、できるだけ変えたくないんですよ。
壁でも天井でも出来るだけ残せるものは残して、絶対に変えないとダメなところだけ取り替えたい。
でも私は古いものは全部取り払って新しくしたい。って感じで。
だから平岡さんは大変だったと思います（笑）。

壁紙も何度も何度もここでお打ち合わせしましたね、い〜っぱいサンプル取り寄せてもらって。
主人もそのサンプルを壁に当てて、それを写真撮って実際にイメージしたりして。
楽しかったですよ。この拘りを面倒臭がらずに面白がってくれて、ご提案してくださったのでそれが嬉しかったですね。
それに、本当にこの家のことを考えて、プロとしての意見を伝えてくださっているなと感じました。

今回シロアリの事があったので、今後のことを考えて点検庫をつけていただきました。
今までは点検庫がなかったので、畳をめくって確認しか出来なかったのですが、そういった事も考えて点検庫あった方が便利ですよって。
デザイン面だけではなく、本当にこの家を長く愛せるように機能面でも色々工夫してご提案いただきましたね。
しかも、その点検庫も、あからさまに点検庫と分かるのではなく、全然目立たないようにしてくださって！
言われないと分からないです。

古い家をリフォームすると、古いものと新しいものとが混在するのは仕方ないとは思うのですが、
でもチグハグなお家は嫌で。
だから、本当に変えなくてはいけない最低限のものだけを変えて、使えるものは使って。
実際に出来上がって見たときに、馴染んでいて全然違和感が無くて嬉しかったですね。
それに加えて、使い勝手がめちゃくちゃ良くなっていて！

あと、すごく嬉しかった提案は、猫の扉です。家猫で全然外に出していないんです。
でも、工事中は人が頻繁に出入りするので、猫が外に行く可能性があるんじゃないかとヒヤヒヤしていたんですが、
その事も配慮してくださり、階段降りてすぐの廊下部分に扉をつけてくださったんです。
そうする事で、猫は２階で隔離できるので安心でした。
そういった細かい気配りや私たちの家族のことを親身になって考えてもらえるのは、
本当に嬉しいと感じましたし、今でもお家の中を見るたび心に響いています。